嗚呼、なんたる不覚!

※このテキストは2007年06月20日にmixiで公開した日記を加筆修正したものです。
先日、20回目の誕生日を迎えついに成人の仲間入りを果たしました。
成人になったのだから成人らしく振る舞おうなんてことは特に考えたりしていなかったのですが、本日もう子供ではないのだからもっとしっかりしなくては思わざるを得ない事件に遭遇いたしました。
今日はバイトで原宿に行かなければなりませんでした。夕方に準備を済ませ家を出発しました。違和感に気づいたのは最寄り駅の構内でした。私は左右で違う靴を履いていたのです。急いで家に帰り履き直そうかとも思いましたが、そうするとバイトに遅刻してしまいます。そのまま電車に乗り込みました。
車内では苦痛の嵐に見舞われました。まさに羞恥プレイです。高田馬場で降りて山手線に乗り換えます。山手線の車内では車両と車両の間に身を潜めていました。無事に原宿に到着しましたが、本当の地獄はここからです。
見られる街。それが原宿です。そこでは日々オシャレにカロリーを費やす若者達が闊歩しています。彼らは自立した絶対的な存在ではなく、人に見られ、さらに羨望の眼差しを送られることで喜びを感じる相対的な存在であることは皆様もご存知だと思われます。彼らはただ見られることに終始することはなく、他人のこともよく見ています。他人と自分を比べ、どちらがよりオシャレであるのか競い合いっているのです。そんな街にいると人は自然と自意識過剰になってしまいます。駅からバイト先のたった5分間が無限地獄に落されたような心持ちでした。一番の懸念はファッション誌の『ストリートスナップin原宿:スニーカー特集』の取材班に声をかけられることでしたが、そんなことはありませんでした。まったく不幸中の幸いとはこのことでしょう。思えばストリートスナップのスの字もない人生を歩んできたものです。
無事にバイト先に到着しました。バイト先ではスリッパに履き替えるのでもう安心です。一応靴はスーパーの袋にいれて隠しておきました。しかし、隠したのはバイトの女の子が来た後だったので意味があったかは定かではありません。
今回の事件は日常に潜む罠とでも言いましょうか、うっかりしていると誰にも起きてしまうことでしょう。もう二度とこのような恥をかきたくないので、これからはきちんと左右同じ靴を履こうと思いました。もう成人ということで身なりをきちっとせねばと思いました。「オシャレな人は靴から」という言葉もあるぐらいです。みなさんも気をつけてください。
ところで、左右違う靴を履くと言えば、右が青、左が赤のオールスターを履いている人をたまに見かけます。きっとTAMIYAが好きなのでしょう。男子であれば誰もがあのTAMIYAのマークに心が躍りますよね。それをオールスターで再現してしまうとは。そういう人がきっと原宿においてもマグナムトルネードをかますのでしょう。

 

Masamichi Torii