夢でもし二度寝できたら

10時頃にドリンクバーでコーヒーを2杯ほど飲んだために夜中の3時を過ぎても目が冴えてなかなか眠れない。
冬なので朝起きるのが辛い。目が覚めた直後、まるで血が巡っていないように感じられ、眠っている間に心臓が動いていたのか不安になる。いつもそんな調子で、体が解凍されるのに時間がかかって大変だ。冬眠する動物は本当に賢いと思う。人間も冬眠できるように進化する努力が必要ではないか。今からでも遅くないぞ。もしその機会があれば先陣を切るつもりでいる。
毎朝起きるたびに、目覚めたときの眠気と夜中のもっと起きていたいという気持ちを交換できたら良いのにと思う。しかしそのために二度寝のとろけるような気持ち良さを手放さなくてはいけないとなると辛いところである。夜更かしと朝寝坊ができないで、それを人生と呼んでいいものか。
頼むから二度寝する夢を見させてほしい。春先の昼下がりに陽だまりでうたた寝する夢でも可。

 

「新年会」

1月18日、新宿ロフトのバースペースにてトリプルファイヤーの企画。「新年会」と銘打った公演は、日曜の昼間にライブをつまみにしてお酒とカレーをおいしく頂こうというものであった。
企画の前日、スタジオで開場から開演までの1時間を何に使うかということが話し合われた。最終的に大垣くんが会場で関係者を捕まえて壇上に上げさせ一緒にトークをするというコーナーに決まり、いつもの流れで私がトーク中のBGMを選ぶことになった。
当日、トークが弾み、スプーンが進むことを願って、60年代後半から70年代前半かけての南部寄りのR&Bおよびソウルのヒット曲を中心に流したのだ が、これが最高だった。選曲云々はすこぶるどうでも良く、中身の一曲一曲が本当に素晴らしい。底抜けに楽しい。一生モノの音楽という感じがする。
しかし、この手の音楽は今、服のスタイルに例えると「ラギッド」のようなポジションにあるような気がするがどうだろう。それが良いことなのか悪いことなのかはわからない。
Tighten Up, Pt. 1 / Archie Bell & the Drells
Groovin’ / Booker T. & The MG’s
Don’t You Just Know It / Huey “Piano” Smith & His Clowns
Knock On Wood / Eddie Floyd
Land Of 1000 Dances / Steve Cropper
Hold On, I’m Comin’ / Herbie Mann
I Gotcha / Joe Tex
Supermellow / Paul Humphrey
Occapella / Lee Dorsey
Chicken Strut / The Meters
Express Yourself / Charles Wright & The Watts 103rd Street Rhythm Band
Funky Nassau (Part 1) / The Beginning Of The End
I’ll Take You There / The Staple Singers
Memphis Soul Stew / King Curtis
Sweet Soul Music / Arthur Conley
It’s All Over Now / The Valentinos
A Shot Of Rhythm & Blues / Clyde McPhatter
Under The Boardwalk / The Drifters
Wearin’ That Loved On Look / Elvis Presley
Respect / Aretha Franklin
Funky Broadway / Wilson Pickett
Proud Mary / The Voices Of East Harlem
Soul Man / Sam & Dave

 

マック・デマルコのライブを見に行ったよ / お知らせ

今年一年はこのブログを週一ペースで更新するという予定を立ててみた。

予定というものは自分にとって敵であり、予定を入れるということは敵に陣地を奪われるということだ。予定の中でも特に一度で済まないような長期に渡るものに対しては当然士気が下がる。今回の予定は自ら決めたものであるけれど、カレンダー上のオセロを一気に裏返しにしてしまう恐ろしい一手である。こんな絶望感はない。鳩尾あたりがきゅうっとなっている。この感触は教習所に入校した日のそれと全く同じのものだ。嫌なら止せばいいのにと賢い人は思うことだろう。全くもってその通りだ。

1月15日、マック・デマルコの来日公演を観に行った。

マック・デマルコはカナダ出身のシンガーソングライターで、若者たちから厚い支持を集める若きスターの一人である。1990年生まれだから、日本人でいうと三浦春馬、浅田真央と同じ歳である。

2014年の”Salad Days”は、心の襞をくすぐるマック・デマルコのさり気ない歌心と、彼岸っぽいエレキギター及びシンセサイザーの調子、さらにそれらをくっと引き締める気の利いたリズムセクションの演奏が素敵なアルバムだった。マック・デマルコの曲と歌声は、どこかイギリス的で、ジョン・レノンやキンクスを思わせるところがあり、人懐っこく、すぐに虜となってしまった。

件のライブは「アメリカ流のロックコンサート」という趣で大変盛り上がった。そしてアンコールの印象が強烈だった。延々とメタリカのエンターサンドマンが演奏される中、半裸の関係者がよくわからないテンションで乱れており、見ていてとても和んだ。エンターサンドマンの他にも、スティーリー・ダンの”Realin in the years “が演奏されていた。マック・デマルコはとても声量のある人だった。

・お知らせ その1

ENERGISH GOLFの一枚目のアルバム”Side Business”の発売を記念してコメントを書かせていただきました。下記のURLからご覧になれます。

http://blog.livedoor.jp/energishgolf/archives/54845295.html

ENERGISH GOLFとトリプルファイヤーはPanicsmileの吉田肇さん主宰Headache soundsファミリーの一員でもあります。

・お知らせ その2

1月18日にトリプルファイヤーの自主企画があります。以下、公演概要です。

1月18日(日)新宿LOFT BAR SPACE
トリプルファイヤーの新年会

open/12:00 start/13:00
ticket ¥1000(1ドリンク込み) メール予約等不要 当日券のみ

出演 トリプルファイヤー
出店 キッチン小判鮫(カレー)

※オプションで飲み放題も可
プラス¥1000で2時間(13~15時)飲み放題
プラス¥1500で3時間(12~15時)飲み放題

どうぞよしなに。

 

背中にマック・デマルコ、心はカジャグーグー

新年の挨拶もしないままに松の内を過ぎてしまいました。遅ればせながら、本年も何卒よろしくお願いいたします。

年始の吉田くんの地上波での活躍によって好調に滑り出した我々トリプルファイヤーのライブ開きは1月7日の「ダムダム新年会 Zapping 2015」だった。この日、来日公演を控え既に東京入りをしているマック・デマルコが遊びに来るかもしれないという情報を得ていた。隙あらばCDにオートグラフを書いてもらおうかと思ったが、自分たちのライブに集中することが最もクールな振る舞いであると考え控えた。出番前に用を済まそうとトイレの列に並んでいると、ステージ付近で佇んでいるマック・デマルコを見つけ、ジロジロと見ていたら目が合ってしまった。わあ!本物だあ!と静かに興奮していると近づいてきて「トイレ待ってる?」と聞いてきたので、「イエス」と答えた。背中にマック・デマルコの存在を感じながら、「あなたの作る音楽のファンです」と言おうかどうか逡巡していたが意気地が出ず、結局言えずじまいで済んでしまった。マック・デマルコが自分の後ろに並んでいるという状況はそれだけで味わい深くもあり得難い体験ではあったものの、私は今年も相変わらずカジャグーグーで何とも情けない。

高名な人を前にすると変に意識してしまいドキドキして萎縮してしまう。本当に小心者で嫌になってしまうが、同時にそれはそれで別にどうでも良いことであるような気もしている。

橋本治が山田風太郎と対談しないかという話をもちかけられたがそれは畏れ多いと思い断ったというエピソードを思い出す。これは「参加と参考」という話題の中で触れらたもので、曰く、世の中の人は参加したがるばかりで、ものごとを参考にして自分のものにしていくという大切なことをしなくなっている、と。大瀧詠一はサンボマスターの山口隆との対談で、「君の中に俺があるのなら、それを魂に入れて、俺が唸るようなやつを作ってよ」ということを言っていたけれど、英語でいうところの”respect”は、このようにして表せば良いのではないかとどこかで思っている。別に本人に会って感動しました!などと言って完結させることは、それはそれで結構なことかもしれないが、音楽に従事する者としては、音楽を通じて交歓できれば良いのではないかと思う。身の程知らずの考え方かもしれないが、そういうものだと思ってしまうのだから仕方がない。

それはそれとして、小心者問題は依然と立ちはだかる問題で、礼節を欠く程の人見知りや、人が気まずさを覚えるような態度は改めなくてはなるまいと思わされることは多い。思わされるだけだが。まあしかし今年は社会の窓を開いていこうと思う。「あなたチャック開いてるよ」の一言から生まれるコミュニケーションもあるだろう。

今年の目標は他にもあってそれはギターの上達だ。だから久しぶりに教則本を買った。最初のページを開き、掌を重しにして折り目をつけると、気持ちが引き締まった。しかしこの1ページ目に折り目を入れるという行為は何と気持ちの良いことだろう。こんなに清々しいことってあるか。これだけでも2,000円分の価値は十分にあると思う。

https://www.youtube.com/watch?v=qsjzcT1QKYs