ゆく鳥居くる鳥居(2020年営業報告)

毎年、年の瀬になると「ゆく鳥居くる鳥居」と題して1年のソロ活動を振り返る企画を行っている。2016年に始めたから今年で5年目だ。言うまでもなく、今年はもっとも仕事が少ない年になってしまった。だから振り返るのは辛い。正直、「ゆく鳥居くる鳥居」などと言ってぬるい洒落をかますほど心に余裕はない。とはいえ、少ないながらもその一つ一つは充実していた。

3/25 Music Voyage : ピーター・バラカン × 鳥居真道 神田淡路町cafe 104.5

バラカンさんとのピンポンDJ企画も今年で5回目。選曲リストを見返すと、なんて楽しそうなんだ、と思わずにはいられない。すわ延期かという空気がありつつも無事開催されて良かった。

ピーター・バラカン × 鳥居真道 Music Voyage : DJ


マスクを入手できず困っていたが、お客さんからウレタンのマスクをいただいた。大変助かりました。ありがとうございました!
イベントの前日には東京五輪の延期が発表されていたようだ。さらに、イベント中に小池都知事が会見を行うという知らせがあった。会見の内容は、不要不急の外出を自粛するよう要請するものだった。

5/13 mei ehara 『Ampersands』 リリース

2019年末にレコーディングに参加したmeiちゃんのアルバムが無事リリースされた。いちファンだったので誘ってもらえてとても光栄だし、素晴らしいアルバムの制作に関わることができて大変うれしい。レコスタも日当たり良好の物件で気持ちが良かった。

meiちゃん作成のビデオがすごい。ビビッド!
サポメンは、Coff、浜公氣、沼澤成毅という面々。なお、沼澤くんをスカウトしてトリプルファイヤーのライブに参加してもらっている。
このあたりはコロナの感染者が減りつつあった時期で、5/17には緊急事態宣言が39県で解除された。ただし8都道府県は継続。全国で解除されるのは5/25のこと。

11/2 カクバリズムの文化祭 mei ehara サポート

カクバリズムの文化祭にmeiちゃんが出演するとのことでサポート。レコーディング以来の集合となった。さすがにブランクがあったので自分のギターを耳コピしなければいけないかと思ったが、体に染み込んでいて意外と覚えていた。ピックアップを交換したストラトと、たっつくん私物のアンプ、ベースマンの組み合わせが最高。トリプルファイヤーのレコーディングでもお借りすることにした。たっつくん、ありがとう!
11/5には「1週間にクラスターが100件超 前週の1.6倍 9月以降最多」というニュースがある。第3波の兆しが見え始めた時期だったようだ。

11月の水曜日 JFN「simple style -オヒルノオト-」 選曲

秋になって日照時間が短くなり、輪をかけて鬱屈していた頃にラジオでの選曲のオファーがあり、元気に。選曲ほど楽しいものはないと改めて実感した。1週目「マイルドファンキー」、2週目「なんとなくクラシカル」、3週目「チルどきグレート・ブリテン島」、4週目「チルどき北米大陸」というテーマで選曲した。Spotifyにまとめたので良かったら聴いてみてください。

Record Snore Day

小柳帝さん、ミツメのまおくん、ナカヤーンとともに結成したレコードスノアデイとしての活動は、昨年から「チーム仕事」としてカウントし、この企画では割愛することにした。そうは言えども、触れないわけにはいかない。今年は2/24、7/12、11/21にイベントを開催した。番外編として、10/26にロックカフェロフトのBGM係も皆で務めた。なんとか活動が継続出来てよかった。

Rolling Stone Japan(WEB版) 連載「モヤモヤリズム考」

昨年の6月に始まった連載がおかげさまで2年目に突入し、次回の記事で1年半続いたことになる。原稿の中でも書いたが、アイディアの源は学生時代のコピバンだったり、トリプルファイヤーの活動で蓄積されたものだから、そういうものが減ってしまうと貯蓄ゼロの状態になってしまう。しかし、そんな泣き言を言っていても仕方がない。

所感

毎回、昨年の自分が書いたことにツッコミを入れるという恥ずかしいことをしているわけだが、例によって今年もやろう。昨年はこんなことを書いていた。

一人っ子の一人遊びの精神を取り戻すこと。それが来年の課題になりそうだ。言わばアブソリュート・エゴ・遊び。こういう記事を書くのも元々一人遊びの延長だったはず。たとえ誰からも見られていなかろうが自分のためにお洒落をする。そうした心意気を取り戻したいものです。

http://notoriious.wpblog.jp/?p=7512
今年ほど一人っ子の一人遊びの真価が問われた年はない。結果として、一人遊びは継続しないことが判明した。裏を返せば、観客という存在がいかに重要なのか痛感したということだ。誰からも観られてなかろうが自分のためにお洒落をするというような心意気は早々に捨てて、ひたすら音楽とは関係ないことに精を出していた。例えばRDR2で動物を狩猟したり、植物を収集したり・・・。
元々、鬱屈しがちな性格ではあるが、コロナ禍により鬱屈がネクストステージに到達した感じがある。端的に言えば、ぼんやりした不安がマジガチの不安に変わったということだ。けれども、それが契機となり、今までとはまったく異なったものの見方、考え方に触れるようになり、価値観が広がったりもしたから、そういう意味においては、2020年がまったくの無だったというわけでもない。とはいえ、コロナには一刻も早く退場してもらいたいわけだが。
ひとまずトリプルファイヤーのアルバム制作が動き出したので、それに注力したい。思えば、2020年はトリプルファイヤーに加入して10周年という年だった。それが人生の3/1に相当すると考えるとなかなか気が遠くなる。
来年以降、何がどうなるのかわからない。今はなにも言うべきことが思い浮かばない。とにかくアルバムを完成させて、皆さんに聴いてもらうことを目標に、地味なことからコツコツとやっていくしかない。そんなニューどころかいたってノーマルな結論にたどり着いたのであった。
2021年の仕事初めは1/7の鹿島さんとハリエさんプレゼンツ<『映画雑談』の会 音楽のある風景編>に、タカハシヒョウリさんとともにゲストとして参加します。

『映画雑談』の会 音楽のある風景編


みなさんが良いお年を迎えられることを心からお祈り申し上げます。