【密造盤】スカート「おばけのピアノ」カバーについて

皆さん、「密造盤」はもう入手しましたか!
「密造盤」って何?という方のために説明すると、スカートが主催する「月光密造の夜」というイベントに出演するスカート、ミツメ、トリプルファイヤーがそれぞれの指定した曲を互いにカバーし合うという企画に基づいて制作された盤のことで、そもそも「第5回 月光密造の夜」の入場者特典として配布されたものですが、来る8月24日に名古屋CLUB QUATTROにて開催される「出張版 月光密造の夜」を記念し、一部店舗限定で7月15日から販売されることになりました。現在は売り切れの店舗が多い模様です。トリプルファイヤーの物販でも扱っておりますが、残りわずかだったように記憶しています。収録曲の一部、というか半分はSoundCloudで試聴できますが、もう半分は入手しないことには聴くことができません。興味のある方はどうにか入手して聴いてみてください。
「密造盤」取扱店舗
タワーレコード 近鉄パッセ店・名古屋パルコ店
JET SET ※通販 V.A. / 密造盤 | Record CD Online Shop JET SET / レコード・CD通販ショップ ジェットセット
ココナッツディスク 吉祥寺・池袋店 ※通販 COCONUTSDISK WEBSTORE – V.A. / 密造盤 [NEW CD]
スカート「おばけのピアノ」カバーについて
我々がカバーした「おばけのピアノ」を今改めて聴くと、「欲張ったわりにはシンプルだなあ」と感じる。シンプル過ぎるきらいがあるものの。
作業をしている間は、ああしようこうしようと色々考えるのだけれど、終わってしまうと記憶からスルスルと抜け落ちていってしまう。今回は落穂拾いして記憶を復元してみようではないかという試みです。
ミツメをカバーした「三角定規△」はあからさまにスミスのパロディなので「スミスです!」と言えばだいたい事足りてしまい、何も困ることはなかったのだが、スカートをカバーした「おばけのピアノ」の場合は、適当なキーワードがなかなか見当たらず説明するのがなかなかに難儀だ。しかしハナから誰も説明など求めていないのだから、困るというのもおかしな話なのだが。ここはひとつ、おじいちゃんの問わず語りを聞く孫になったつもりでご容赦いただきたい。
アレンジに着手した頃、スカートでベースを弾く清水くんに誘われてマンタ・レイ・バレエの久々のライブをサポートすることになった。そしてそれが契機となって「ポップス栓」が開かれた状態だった。
現在のバンド活動に従事する以前は、60年代・70年代アメリカのSSWやポップス、ソウルおよびR&Bが好きで、アルバムでいうとJo Mama「Jo Mama」、Hirth Martinez「Hirth From Earth」、Laura Nyro「Gonna Take A Miracle」、Todd Rungdren「Runt: The Ballad Of Todd Rundgren」、Harry Nilsson「Aerial Ballet」等々がお気に入りだった。
ソウルおよびR&Bの線でいくと、Marvin Gaye & Tammi Terrell “Ain’t Nothing Like The Real Thing”、The Jackson 5 “Never Can Say Goodbye”、The Delfonics “La-La Means I Love You”、Diana Ross & the Supremes and The Temptations “I’m Gonna Make You Love Me”、Stevie Wonder “If You Really Love Me”などの甘めの曲が好みだ。根が「河田町〜お台場経由のお茶の間渋谷系」であるからしてこれは仕方がないことである。
ギターに限った話をすれば、ダニー・コーチマー、エイモス・ギャレット、デヴィッド・T・ウォーカーといったクセのあるスタジオミュージシャンが好きで、参加アルバムを調べて集めたりしていた。
こういった趣味があったものの、しばらくの間ほったらかしにしてしまっていたので、マンタ・レイ・バレエの練習に備えて、埃を叩いて天日に晒したのであった。このようなタイミングで「おばけのピアノ」のアレンジを考えたので、その影響は如実に表れているはずと思ったのだが、改めて聴いてみるとそうでもないような気がしてもはやよくわからない。
リズムパターンの下敷きは言わずもがな、山下達郎の「RAINY WALK」だ。細野晴臣と高橋幸宏という本邦リズム隊の最高峰に真っ向から挑むという無茶はせず、「RAINY WALK」よりは少しルーズな感じが出たら良いなあと考えていたから(というかルーズにならざるを得ないのだが、それを良い方向に転ばせるという魂胆)、大垣くんには「レイドバックして!」というリクエストラブもといリクエストの下、ドラムを叩いてもらった。
「RAINY WALK」を選んだのは「シンプルにやる」というテーマがあったからだ。Talking Headsの一枚目のような慎ましさとR&B趣味のカジュアルな発露が念頭にあり、最終的にそういうところに着地できればと考えていた。ちなみに『Talking Heads ’77』の地味さがとても好きなのだが、こういうことをいうと斜に構えてると言われてしまうから大変なご時世だ。そんなことはどうでも良い。『Talking Heads ’77』の地味さに加えて、Tom Tom Clubの“Genius Of Love”ようなある種のお気楽さも欲しかった。「三角定規△」とセットで考えたときに、陰の「三角定規△」、陽の「おばけのピアノ」になり、陰陽的なバランスが取れるわけである。東洋的なツボもきちんと押さえるというこの抜かりのなさよ。地元じゃ”鳥居抜かりなさ道”と呼ばれていました、ええ。
デモ制作の段階で、レニー・クラヴィッツにこんなアレンジの曲なかったっけ?と思ったのだが結局思い出せずにいた。(調べてみると、それは“It Ain’t Over ‘til It’s Over”という曲であった。良い感じのベースを弾いているのはなんとガンズのダフ・マッケイガン!レニー・クラヴィッツの同級生であるスラッシュの紹介か。ドラムはジェームズ・ギャドソンの16ビートをオマージュした感もあり。)デモを聴いた山本くんは「元ネタは尾崎紀世彦のまた逢う日まで?」と言っていた。筒美京平先生ならウェルカム。ところで話は逸れるけど、筒美京平先生のペンによる、かまやつひろしの「幼きものの手をひいて」ってとても良い曲ですね。「河田町〜お台場経由のお茶の間渋谷系」の琴線を刺激しまくる名曲中の名曲だと思う。
「おばけのピアノ」のギターにはフェイザーがかかっている。なぜなんだろう。たぶんヨットロック感が欲しかったからだ。合言葉は”Stay Smooth!”だ。
「おばけのピアノ」には間奏部分があったので、そこでギターソロを演奏した。弾かないという選択肢もあったが、それはそれで野暮に思えたし、シンプルにしすぎたためにアレンジにおけるひっかかりがないかもなという懸念もあった。良い感じのギターソロを加えることができたら、目鼻立ちが少しはくっきりするかもしれないと考えてソロを弾くことにした。エイモス・ギャレット、デヴィッド・T・ウォーカー、「卒業写真」の鈴木茂をイメージしたけれど、何となく全体的にロビー・ロバートソンっぽいある種の甘さが漂っているように自分では感じる。
また、シェーカーの代わりとして正露丸糖衣Aを振った。これは、TLCの“Waterfalls”やMonicaの“Don’t Take It Personal (Just One Of Dem Days)”といったアメリカ南部産R&Bのジャリっとした質感を出したかったからだ。あれは本来塩化ビニールに刻まれたドラムの音をサンプラーに取り込んで歪ませた音による質感なのだろうが、それを正露丸糖衣Aで代用してしまった。代用品として機能しているかどうか甚だ謎である。ただ、お腹の調子が悪いときに聴けば何かしらの効用があるはず。
「三角定規△」のときもそうであったが、作業中に確認のためにミツメ、スカートによる原曲を聴く度に得も言われぬ感動に襲われた。それはもう、腹の底まで染みて、体温も少し上昇するほどの感動であった。これはなかなかに得難い体験だったと思う。
さて、ここで、開催まで一月を切った「出張版 月光密造の夜 名古屋編」の告知をば。以下、詳細です。

出張版 月光密造の夜 名古屋編

2015年8月24日(月)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:30
<出演者>
スカート / ミツメ / トリプルファイヤー
料金:前売2800円 / 当日3300円 / 学生2000円(要学生証提示)
チケット販売:e+ / チケットぴあ / ローソン / タワーレコード 名古屋パルコ店 店頭
お問い合わせ先:ジェイルハウス / 052-936-6041
NAGOYA CLUB QUATTRO(名古屋クラブクアトロ)公式サイト

名古屋パルコは若き日の私にとってのサンクチュアリなので、自ずと気合も入ります。皆様も是非お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください。どうぞよしなに。暑い日が続きますのでくれぐれもご自愛くださいませ。

 

『エピタフ』トリプルファイヤーの新しいアルバム

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トリプルファイヤーの新しいアルバム「エピタフ」が発売中です。(発売日:2015年9月15日)

「エピタフ」収録曲

  1. SEXはダサい
  2. トラックに轢かれた
  3. 変なおっさん
  4. Bの芝生
  5. 戦争の話
  6. 面白いこと言わない人
  7. 今日は寝るのが一番よかった
  8. ゲームしかやってないから
  9. 質問チャンス
  10. なんかしゃべんないと友達になれない
  11. こだわる男
  12. 全国大会

アルバム収録曲の”変なおっさん”が試聴できます。
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『エピタフ』ネット通販での取り扱い

”変なおっさん”のミュージックヴィデオ

”変なおっさん”のPVが完成しました。監督は「サッドティー」でお馴染みの今泉力哉さんです。

トリプルファイヤー『エピタフ』発売記念ワンマン “アルティメット パーティー”

「エピタフ」の発売を記念してワンマンライブを開催します。会場は渋谷クラブクアトロ。以下詳細です。

公演日 2015/11/24 (火)
会場名 渋谷CLUB QUATTRO
開場 / 開演 18:30 / 19:30
前売り / 当日 ¥2,500 / ¥3,000
ドリンク D別 ※当日入場時にドリンク代500円を頂きます
一般発売日 2015/09/27 (日)
チケット販売 e+ / ローソン / ココナッツディスク / DISKUNION
お問い合わせ先 渋谷クラブクアトロ / 03-3477-8750
DUM-DUM LLP / 03-6304-9255
 

「幻想の摩天楼」状態

レンタル用のDVDの冒頭には予告編が収録されている。早送りや倍速再生で飛ばしてしまうこともできるのだが、最近は操作するのも面倒に思えてきて予告編を一通り流してから本編を観るようになった。中には、おもしろうそうだなと思うものもあれば、つまんなさそうだなと思うものもある。全て観終わった頃には、虚脱とまではいかないまでも、なぜか憂鬱な気分になり、本編を観る前にぐったりしてしまう。
また、商品にポップをつけたりパネルを使って展開しているような小売店に長時間滞在していると、DVDの予告編を全て観終わったときと同じような疲労感に襲われてぐったりとしてしまう。
同様に、DVDレンタルショップや飲食チェーンの店内向けラジオ放送で流れている曲などは一度気にしてしまうとついつい意識して聴いてしまい、滞在しているだけで余計に疲れてしまう。
さらにインターネットを使って興味のある特定の物事について調べ物をしていても、有象無象の様々な意見に消化不良をお越し、途中からぐったりしてしまい、こんなことなら調べなきゃよかったとさえ思うこともしばしばある。
こういった状況のように、情報が過入力されてしまうと、スティーリー・ダンのアルバム「幻想の摩天楼」のジャケットに描かれている猛獣の形相で屹立するビル群を背にうずくまる男性のような気分になってしまう。ところで話は変わるが、あのジャケのようなイメージを携えたシティ型音楽がそろそろ出てきても良いんじゃないかと思うのだが、どうだろう。『身の丈に合った「おいしい生活」への架空請求!』みたいなコピーで誰かやったらきっと楽しいだろう。こういうのはエレガントにやるのがミソ。
SNSなど見ていると、次から次へとネットの記事を紹介するコメントが流れてくるが、それが絶対に読まなくて良いものだとわかっていても、いっちょ気の利いたイチャモンでもつけてやろうという下衆な心が働いてついついリンクを踏んでしまうという悪癖があり、これがなかなかに断ち難く、とても困っている。
音楽ストリーミング・サービスや音楽フェスといった昨今の「音楽の話題」を扱うような放談的なネットの記事に対しては、「心底どうでも良い」と言いたいがために読んでいるところがある。ストレスの種を増やして一体何がしたいのかよくわからない。下痢になるのがわかっていてもついつい辛いものを食べてしまうのと同じような心理か。まーた「音楽の話題」専門家が音楽とは一向に関係のない話をしてやんの、へへ、と言って捨て置けば良いものを。スノッブ喧嘩せずなんて格言もあるし。
だいたいああいう手合は「ネットで何か言いたい人たち」によってできた行列の先頭にいる人に過ぎず、そんな行列とは根源的に関係などないのだから、冷ややかな視線を送ることさえも無駄なエネルギーの消費であろう。
しかし本当に、その人にとって余計ともいえる情報がこの世には一切存在しないかのように振舞うことができる人もいて、そういう人に芯から憧れてしまう。身のこなしがエレガントでとても素敵だ。
思うに、余計な情報とはDAMチャンネルのようなもので、せっかくカラオケに来ているのにも関わらず誰もマイクを握ろうとしないという倦怠感に満ちた状況とともにそれはやってくるのだ。ちゃんと歌を歌ってさえいれば見なくても済むもので、普段の生活においてカラオケで歌を歌うことに該当することに積極的に取り組んでいないからこそ、自分にとって必要ではない情報に身を晒すことになる。今自分にとって歌うことに該当するものは一体なんだろう。それは『身の丈に合った「おいしい生活」への架空請求!』なのだろうか。よくわからない。でもマギーは好き。
https://www.youtube.com/watch?v=iHSnt9BTJbM

 

俺の小さな友達に挨拶しな!

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先日、軽い洒落のつもりで、Twitterのアカウントをブライアン・デ・パルマ監督の名作「スカーフェイス」でアル・パチーノが演じた主人公のトニー・モンタナ(Tony Montana)をもじって”Tory Montana”とした上で、ヘッダーやアイコンをしかるべき画像に変更し、自己紹介の欄におなじみの名台詞”Say hello to my little friend!”と書き込んだところ、みるみるうちにリムーブされ、フォロワー数が激減。数がモノを言うコンペティティブなSNSという場で、致命的な戦略ミスを犯してしまった。こういうことが起こるといつも決まって「やっぱりな」とつぶやくのだ。今まで調子に乗って一度でも良いことがあったか。
学生時代に所属していた軽音サークルの定例ライブでの出来事を思い出す。それは、スタジオの一室を借りて行われたライブで、VoidだったかMinor Threatだったか忘れてしまったが、我々のバンドがハードコアのコピーバンドをやったときのことだ。サークル員がモッシュの真似事を始めたので、我々もそれを煽るように暴れながら演奏した。無論、私も飛び跳ねてボーカル担当の先輩に体当たりなどしていたのだが、その最中に勢い余ってシールドに引っ張られるかたちでマーシャルのヘッドが地面に落ちてしまったのだ。そのときの友人の血の気の引いた顔といったらない。
ヘッドを戻して恐る恐るスイッチを入れてみると、元どおり音が出たので安心はしたものの、すっかり意気消沈してしまった私は大人しく残りの演目をこなしたのであった。終わってから近くにいた先輩をつかまえて「俺が調子に乗ると決まってこういうことがあるんですよ」と卑屈なことを呟いたら、先輩は「アハハハ」と笑っていた。
ところで、先日、電車に乗ってたときに印象深い出来事があった。
それは金曜の午後10時頃のことだった。電車に乗り込むと対面の扉にもたれかかりながら大きな声で通話している人物がいた。クールビズ姿の20代中頃と思われる男性で、子供が尿意を我慢しているときのように体をクネクネさせており、酔っ払っているように思えた。
次の駅で電車が止まると、私と同じ駅で乗り込んだサッカー選手のネイマールにどことなく似たところのある相貌の男性に「おい、しゃべるんなら外でしゃべろよ」と注意を受けたのだが、それを無視して話し続けるので、注意した男性は、通話を続ける男性の肘を軽く叩いて同じ言葉を繰り返した。車内の視線が一斉に二人に注がれた。
バツの悪い思いをした男性はそそくさと電車を後にするだろうと予想したのだが、彼は電車からは降りずに、一旦電話を切ると、発車と同時に注意した男性に絡み始めた。「なんなの。ちょっと意味わかんないわ」などと言いながら、クネクネした動きで顔を近づける。注意した男性もその反応に驚いていたようでキョトンとしながらも、車内での通話は迷惑であるということを改めて男性に伝えた。それを受けたクールビズ姿の男性の主張を補足しながらまとめると以下のようになる。
車内通話の何が迷惑なんだ。例えば二人連れの者などは電車内でも話すが、それと車内での通話は何が違うのだ。どちらも同じ話し声だろう。なぜ一方的に車内通話だけ弾劾されなければならないのか。注意した以上それを説明する義務があるはずだ。さあ、納得できるように答えろ。それができないのなら、私に注意したことを撤回するのが吉である。
もちろんこの通りに言っていたわけではないが、おそらく上記のようなことが言いたかったのだと考えられる。「うわあ、インターネットみたいなこと言うなあ」と思った私は完全にROM専と化していた。
座席に座りながら二人の様子を伺っていたストリート系ファッションに身を包んだ男性がイヤホンを外してカバンにしまうと立ち上がり、注意した男性に近づいていき「大丈夫ですか?」と声をかけた。
新たに現れた男性は通話していた男性に対して「さっきからずっと話してましたよね?言われなきゃずっと話してましたよね?」と尋ねた。「そうですよ。それの何がいけないんですか?」と返ってくるので、さらに「何で今怒られてるのかわかんないの?」と尋ねる。「わかんないすね」という返事に、ストリート系ファッションの男性はあきれ果てた様子で「あなたいくつよ?」と聞いた。良い年してそんなこともわからないのかというのである。クールビズの男性はさきほどのような勢いは失いつつも、車内通話も二人連れの話し声も同じ話し声なのだから、車内通話だけ注意を受けるのはおかしいというおなじみのロジックを展開したのだが、ストリート系ファッションの男性は迷惑なもんは迷惑なんだよとピシャリ。怒られていた男性が、事態を収拾することを優先するかのように「たしかに会話の一方しか聞こえないと不快に感じるって話もありますよね」ということを穏やかな表情で言うので「やっぱり確信犯じゃん!」と思ってしまった。
ストリート系ファッションの男性は、最初に注意した男性に対しての無礼を謝罪するように促し、怒られていた男性は笑顔ですいませんでしたと言いながら3度ほど頭を下げていた。ストリート系ファッションの男性は二人に背を向けて停車を待った。ドアが開いてストリート系の男性がホームに降りると、やや間をおいてクールビズの男性も電車から去っていった。注意した男性が残る車内は人の話し声がいつもより際立って聞こえるように感じられた。
車内に残った男性は、さらに二駅先で停車した際に、いかにも働き盛りといった風情のパリッとしたクールビズ姿の男性から、「よくぞ言ってくれた」という賛辞を受け握手を求められていた。働き盛りの男性はよほど感慨深かったようで、改めて握手を求めると電車を降りていった。働き盛りの男性に続いて私も電車を降りた。
今ここで我々が考えなくてはいけないことは、マナーとは一体何なのかということであるが、それはどこかの高名な元教授などがブログで良い感じの答えを用意してくれそうなので、それに期待したいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=SN_Hix80m44