What a lovely diary!

週末は札幌へ。なぜこのタイミングで札幌へ行ったのか説明すると、その目的は至ってシンプルで、ライブをするためだ。移動手段は飛行機!
会場はすすきののCOLONYというライブハウス。ここのJCの音がとても素晴らしかった。素敵なJCとの出会いはギタリストにとって何よりの喜びである。
これは完全なる思い込みに過ぎないが、新宿、特に歌舞伎町にあるライブハウスのJCの音は他の場所にも増して固い傾向にあるように思う。音に焦げ臭いようなところがある。
オーディオマニアの間では電力の使用量が減る深夜のほうがオーディオの音が良いというのが定説らしいが、そうであれば歌舞伎町の近辺で営業するライブハウスのJCの音が良いはずがない。しかし実際のところはそれほど単純なものではなく、個体差であったり経年変化であったり様々な要因があるはずだが、そのように込み入った話題は専門家にお任せしたい。
アンプといえば神保町の試聴室にあったYAMAHAのJ-35がいかにも年代物といった見た目とは裏腹に素直な音がして良かった。このアンプを安く入手すべき、という気がする。
昨年、急にフェンダーの真空管アンプが欲しくなり、銀パネのChampという小ぶりのアンプを6万円で購入した。とても後悔している。全然使用していないことが原因だとは思うが。
ただの板にパーツを必要な分だけ取り付けただけのひたすら軽いギターはないものかと探している際に、マーク・リボーが使っているのを見て欲しくなったメロディーメーカーというギブソン製のギターを買うときも「何がなんでも欲しいというわけでもないんだけれど」という気持ちが5割ぐらいあったし、買ってからも「何がなんでも欲しかったというわけでもないんだけれど」という気持ちが5割ぐらいあった。そのあたり見抜いていたのか、買う前に「本当に欲しいの?」と聞いてきたのは吉田くんであった。それはさておき、購入しても片手で万歳ぐらいの中途半端な気持ちだったものの、使っていくうちに後悔の気持ちも薄れていった。後悔という感情は案外揮発性が高いものかもしれない。
今買わなくちゃいけないような気がするダンエレクトロの12弦ギターを実際に買って後悔したとしても使っていくうちに忘れてしまうだろう。だから問題は買った後に押し寄せる後悔の念に耐えられるかどうかということになってくる。
消費活動に関わる後悔から逃げる唯一の方法は、目の前の物欲から目を離さずにペダルを漕ぎ続けることだ。振り返れば死屍累々。真っ直ぐ前だけ見て買って買って死ぬまで逃げ続けるしない。物欲に対して検証を始めると、ドミノ倒しでただただ暗い気持ちになるだけなのであまり考えないのが吉。しかし、いらないものに対してはいらないと言わなければいけない時期が来ていると思う。そんなことを声高に言ったところで自分の首を絞めることにしかならないのだが。それでもやはり12弦ギターの音色を使った音楽を作らなくてはいけない気がしている。それも今すぐに。
ダンエレクトロの12弦ギターを買うか買わざるかという問題はとりあえず棚上げして、代わりに年末に買ったバーズのアルバムを聴いている。Fifth Dimension収録の“What’s Happening?!?!”という曲がお気に入り。中途半端といえば中途半端だが、そこがまた愛らしくもある。というかこういう地味だがキラリと光る小品が好きでたまらない。”What’s Happening?!?!”はデヴィッド・クロスビーの曲とのこと。60年代後半の西海岸のロックはあのモヤッとしたややマイルドな音の質感が苦手で今まであまり聴いてこなかったがこの辺りをもう少しちゃんと聴いていきたい。
バーズがらみでいうとヴェルヴェット・クラッシュもカバーしたDillard & Clarkの“Why Not Your Baby”はいつ聴いても何度聴いてもやはり名曲。弦のアレンジはニック・デカロではないかと予想しているのだが、どうなんだろう。A&Mだし。ネットではヴァンダイクパークス説も囁かれている。でもヴァンダイクパークスではないと思う。
ジーン・クラークのWhite Light冒頭の“The Virgin”も素敵。流れでトム・ウェイツの“Hang Down Your Head”が聴きたくなる。やはりマーク・リボーのギターが聴き物。20代前半はこういうギターを弾く予定だった。いやまだ諦めてはいない。今でもエレキギターを用いた表現とはこのように行われなければいけないとさえ思っている。ここまできたらアレックス・チルトンのギターも聴かねばなるまい。エレキギターかくあるべし、というひとつの極点。どう考えたって。
戻り日は(北海道の話です)自由時間があったので、スピルバーグの新作「ブリッジ・オブ・スパイ」を観に行くことにした。目当ての映画館が札幌駅のすぐ近くにあるものだと予想していたら駅から少し離れた場所のショッピングモールの中にあることが判明し、バスに乗って移動。始めの15分ぐらい見逃してしまい、前方右側の席だったからスクリーンが平行四辺形で、更に寝不足のため途中で寝てしまったが、終盤から号泣。「ザ・マスター」でのフィリップ・シーモア・ホフマンの息子役が個人的にツボだったジェシー・プレモンス(橋本治似)の姿を確認。彼はCowboy and Indianというバンドでボーカルとギターを務めているそうだ。Cowboy and Indian (Featuring Jesse Plemons) “Trouble” at The Texas State Capitol 意外や意外、真っ当なアメリカーナ!
やはり北海道へのエフェクター類を持っていかなかった。スティーヴ・クロッパーやボビー・ウーマックを捕まえてわざわざ「アン直ですね」という人はいないだろうから、アン直を指摘されているようではまだまだ三流なのだろう、と最近よく思う。
ところで…(By The Way…)
いくつ?どこ住み?告っても良い?次回のライブ。

1月18日(月)新代田 FEVER
「ダムダム新年会!DUM-DUM NEW YEAR PARTY」
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 ¥3500 / 当日 ¥4000(+D)
出演 DUCKTAILS / スカート / トリプルファイヤー
http://dum-dum.tv/
ローソンチケット(Lコード:79304)/ e+

今月はあとこれだけ。どうぞよしなに。ポジティ部!もちろん良い意味で。

 

Masamichi Torii