去る6月7日、cafe 104.5で行われた『Music Voyage DJ』にお越しいただいた皆様、誠にありがとうございます。予約の電話をかけてみたら既に満席だったという方もいたそうで、申し訳ございませんでした!
このイベントの内容を申しますと、ピーター・バラカンさんと不肖鳥居がDJとして、卓球のラリーのように一曲ずつ交互にかけていく「バック・トゥ・バック」で進めるというものです。お題も決めず、出たとこ勝負で一曲一曲かけていきます。
今回はそのB2B(企業間取引に非ず!)の様子を記憶を頼りにダイジェスト的に書いていきたいと思います。記録として。
私が人気者であれば有志の方が書き起こしてくれるのでしょうが…そんなことはまずあり得ないので自分でやっていきたいと思います。どうですかいじらしいですか!涙がちょちょ切れんばかりですね…
当日メモはとっておらず、さらに後半に進むにつれて酔いが回ってかなり良い感じに仕上がっていきましたので、記憶違いもあるかとは思いますが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。間違いなどあればもちろん責任は私にあります。念のため。
それでは早速いってみましょう。
最初に開始の挨拶をしまして、その次に先攻後攻を決めるじゃけんをしました。ピーター・バラカンさんとB2Bをやるというのはもちろん得難い体験ですが、じゃんけんするのもなかなかに貴重な体験ではありませんか!それはさておき、じゃんけんした結果、ピーターさんが勝ちまして、ピーターさんの選曲からスタートなりました。
1. Georgie Fame “Ali Shuffle” (PB)
6月3日にモハメド・アリが亡くなったことを受けて、ピーターさんはこちらの曲をご紹介されました。“Ali Shuffle”とはアリ独特のダンスするような動きを表したものだそうです。
2. Mighty Sparrow “Sparrow Dead” (MT)
モハメド・アリに関する曲が手元にありませんでしたので、どうしよどうしよと思案して、“Ali Shuffle”がカリプソ調だったことから、こちらを選曲しました。
3. Eddy Grant “Don’t Back Down” (PB)
マイティ・スパロウの音源をコンパイルして発売しているアイス・レコードというレーベルがあります。そのオーナーはイコールズというバンドをやっていたエディ・グラントという人です。その人のソロ音源からこの曲。モハメド・アリのドキュメンタリー番組のテーマだそうです。ピーターさんは「このサックスを吹いているのは誰でしょう?」というクイズをお出しになりました。
4. John Zorn “Lonely Woman” (MT)
クイズの答えは「オーネット・コールマン」でした。そこでジョン・ゾーンによるオーネット・コールマンのカバーを。ピーターさんはジョン・ゾーンの楽屋を訪問したときにフレッド・フリスに叱られたことがあるという凄まじいエピソードを披露されていました。
5. Baby Face Willette “Willow Weep for Me” (PB)
あるジャズ雑誌の特集で「私の選ぶ一枚」というような企画があったそうです。その選者の中で日本人でなかったのはピーターさん以外にはジョン・ゾーンだけで、彼が選んだ一枚というのがベイビー・フェイス・ウィレットのアルバムだったとのことです。ピーターさんはこの曲を自分がDJを務めるラジオ番組のオープニング・テーマにしていたそうです。
6. James Brown “Funky Drummer” (MT)
ピーターさんの番組テーマ曲つながりでこの曲。Viewsicで放送されていたPBS(ピーター・バラカン・ショー)のテーマであります。
7. Maceo Parker “Chicken” (PB)
会場のcafe104.5は南青山のジャズ・クラブ、ブルーノート東京の系列店です。ピーターさんが初めてブルーノート東京で観たライブがJBのバンドで長年サックスを務めたメイシオ・パーカーのライブだったそうです。
8. Hirth Martinez “Nothin’ Iz New” (MT)
JB関連を続けようか、はたまた”Chicken”つながりでミーターズの”Chicken Strut”をかけようかと考えましたが、”Chicken”を聞いているとなぜか頭の中でハース・マルティネスの”Nothin’ Iz New”の低音ドゥーワップコーラスが流れてきたので、リズムが似ているという理由からこちらの曲にしました。
9. Captain Beefheart & His Magic Band “Abba Zaba” (PB)
ハースの歌声を聴いていると、ビーフハートの声を思い出すそうでこちらを選ばれていました。無名時代のライ・クーダーが参加とのことです。ピーターさんより「鳥居さんのギターを聴いてマジックバンドにいてもおかしくないと思いました」とのお言葉をいただきました!
10. Mallard “Back on the Pavement” (MT)
マジックバンドつながりで、マジックバンドのメンバーによって結成されたマラードから一曲選びました。
11. Laurie Anderson “Excellent Birds” (PB)
“Mallard”とは「マガモ」のことだそうで、「鳥つながり」からこちらの曲。ピーター・ガブリエルが参加しているとのことです。
12. Ryuichi Sakamoto “Riot In Lagos” (MT)
“Excellent Birds”を聴いて「ビル・ラズウェルが絡んでそう…」と思ったので、当てずっぽうでMaterialでもかけようかと考えましたが、あまり強い動機にならず、雰囲気が似ているという理由で、こちらの曲を「ぶっ込んで」みました。
13. Matumbi “The Man In Me” (PB)
ピーターさんはYMOと仕事するようになったきっかけをお話しされて、「B-2 Unit」に参加したデニス・ボーヴェル関連でこちらの曲を選ばれました。なんとデニス・ボーヴェルのモクモクしたスタジオを訪れたことがあるそうです。
14. The Slits “I Heard It Through The Grapevine” (MT)
デニス・ボーヴェル関連で。マーヴィン・ゲイのヒット曲のカバーであります。
15. The Flying Lizards “Money (That’s What I Want)” (PB)
「モータウンをカバーしたニューウェーブ」が続きまして、こちらの曲です。
16. The Trashmen “Money (That’s What I Want)” (MT)
“Money”のやりとりで、別のバージョンを。”Surfin’ Bird”でおなじみトラッシュメンによる演奏です。
17. Boukou Groove “Stay Broke” (PB)
お金がほしいのはなぜか。お金がないからからだ。ということで、お金がない状態を意味する”broke”にまつわるこの曲でした。
18. 大瀧詠一 “びんぼう” (MT)
お金がない曲が続きまして、大瀧詠一の一枚目のアルバムから「びんぼう」です。鈴木茂のギターが聴きものです。
19. Little Feat “Two Trains” (PB)
鈴木茂のギターにローウェル・ジョージを感じるとのことで、Little Feetの名曲を選ばれていました。
20. Lowell George “I Can’t Stand The Rain” (MT)
続いてローウェル・ジョージのソロアルバムから、梅雨入りしたのでアン・ピーブルズのカバーであるのこの曲を選びました。
21. Allen Toussaint “What Do You Want The Girl To Do?” (PB)
ローウェル・ジョージの唯一のソロアルバムの冒頭を飾る”What Do You Want The Girl To Do?”の原曲であり、作者アラン・トゥーサンの自演バージョンです。他にもボズ・スキャッグスやボニー・レイットがカバーしているそうです。
22. Alex Chilton “Lipstick Traces” (MT)
アラン・トゥーサン〜ニューオーリンズつながりで、ベニー・スペルマンの名曲をアレックス・チルトンがカバーしたものを流しました。
23. Chris Farlowe “Handbags And Gladrags” (PB)
“Lipstick Traces”を取り上げたことのあるクリス・ファーロウ。この曲はロッド・スチュワートにカバーされたそうです。
24. Cher “For What It’s Worth” (MT)
“Handbags And Gladrags”を聴いてサザン・ロック的な趣を感じたので、シェールのマッスル・ショールズ録音のアルバムからバッファロー・スプリングフィールドのカバーをかけました。
25. Etta James “I’d Rather Go Blind” (PB)
マッスル・ショールズが続きましてエタ・ジェイムズの名曲です。
26. Arthur Alexander “Rainbow Road” (MT)
さらにマッスル・ショールズが続きます。最後の一曲でしたので、スローな名曲をしみじみ聴こうではないかということで。ダン・ペンのペンによる名曲です。このとき「お蔵入りになったアルバムが後から発表された」という誤情報を流してしまいました。どうもすみませんでした。
ここでまさかのアンコールを求める声がかかりました!
27. Dan Penn “Nobody’s Fool” (PB)
続いてダン・ペン本人による歌唱です。1973年に発表したソロアルバムから。
28. The Flying Burrito Brothers “Do Right Woman” (MT)
ダン・ペンの曲が続きます。少し趣を変えてフライング・ブリトー・ブラザーズによる”Do Right Woman”。
29. Aretha Franklin “I Never Loved A Man (The Way I Love You)” (PB)
アレサ・フランクリンによる”Do Right Woman Do Right Man”はシングルのB面でした。A面はこの曲。
30. Steely Dan “Hey Nineteen” (MT)
続いて「ソウルの女王」アレサを知らない19歳の娘さんと飲んでいる壮年と思しき男性が主人公のこの曲です。
31. Aretha Franklin “Rock Steady” (PB)
オバマ曰く「DJをするなら一曲目にこの曲をかけなくちゃね」とのことです。ニューヨークの手練れたちによる最高の演奏です。
32. Leon Ware “Body Heat” (MT)
最後の曲です。お客さんから「踊れる曲かけて〜」とのリクエストがありましたので、この曲でお開きとさせていただきました。ベースを弾くのは”Rock steady”と同様、チャック・レイニーです。
以上です。
ピーターさんには私の拙い返しを丁寧に拾っていただいて、本当に感謝しても感謝しきれない思いでございます。音楽を紹介されるところを間近で聞いていて、改めて敬服する他ないなとしみじみ感じました。今回、がっつりB2BするのもDJ中に声を出して曲を紹介するのも初めてのことでしたがとても楽しかったです。また機会のあることを願って。
例のごとく一曲ずつYouTubeに上がっているかどうか確認したら、ハース・マルティネス以外は上がっていました。気になった方は聴いてみたら良いと思います。
2 thoughts on “Music Voyage DJ (June 7, 2016) ピーターバラカン×鳥居真道”
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