やっほー!
久しぶり!みんな元気にしてた?久々にブログ書いてくね。
たくさんのマシュマロ、どうもありがとうございました
「マシュマロ」というネットのサービスがある。匿名の質問を受け付けて、それにTwitter上で答えるというものだ。ネガティブな質問、下品な質問、ただの悪口などを通さないフィルターが装備されているのが特徴といえよう。このマシュマロをフォローしている人が利用しているのを見ておもしろそうに感じつい魔が差して利用することにしたのが一月前。微妙なセンスの持ち主ほどこうした質問に答えるサービスを小馬鹿にしがちだから「では利用するのが正解だ」と短絡的に考えて開始したところもある。
質問が全然飛んでこなくて惨めな気持ちになるのではと不安に感じていたが、意外にもたくさんの質問が寄せられたのでほっとした。最終的にはフリスク二箱分の質問が未回答の状態になるほどであった。同じ人が複数質問している可能性もあるし、すべてが私の自作自演かもしれない。いや、自作自演なんて言ったらせっかく質問してくれた人に失礼だ。ごめんなさい。たくさんの質問、どうもありがとうございました。
質問ではなくエゴサーチの結果ではお目にかかれないような丁寧なメッセージを送ってくれる方もおり励みになった。こんなに水の澄んだインターネットがあって良いのかとやや不安になったが、本当に嬉しい限り。その距離の測り方は細野晴臣のベースのタイミングコントロールのように繊細でした。どうもありがとうございました。
「○○みたいな自意識をお持ちのように見えますが…」という枕から始まる質問をいただくことが度々あった。誰しも少なからず人からこう見られたいだとかこういう人間だとは思われたくないといった下心を持っているはず。けれども、他人からその下心がはっきりと見えるわけなどあるはずがない。たまに他人の自意識を見透かしてしまう人がいるが、見えないものを見てしまっているのでいわゆる「スピってる」状態と一緒だという自覚は持ったほうが良い。かつて「日本人の信条は察しと思いやり」と言った人物もいたが、「察し」と「下衆の勘繰り」は表裏一体であると心得よと言いたい。「親父の小言」風に言うならば。
一番感動したのは、質問に回答するのを止めますと宣言したところ質問がピタリと止んだところだ。これこそがファンクだと言いたい。JBの素早いジェスチャーとともにバンドが演奏をピタリと止めるがごときファンキーさ。これだけでもフォロワーからリムーブされながらも回答を続けた甲斐があったというものだ。
受付自体は締め切っていないので何かありましたらマシュマロを投げてみてください。ただし回答はしません。
鳥居真道にマシュマロを投げる | マシュマロ
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
先日、といってももう3ヶ月も前の話だが、Twitter上でカシマさんから「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」というバトンが回ってきたので取り組んだ。2000年頃からインターネットに慣れ親しんでいる人はご存知だと思うが、昔は「音楽好きへ100の質問」というようなバトンがあり、それが回ってきたら個人のテキストサイトで発表したりするという文化があった。そんなことを思い出してしみじみしてしまった。
「ほんとうに衝撃を受け~」はジャケの画像だけ投稿しても問題なさそうではあったが、TL上をさらっと流れていってしまいそうだったからコメントをつけることにした。音楽を聴いて「ほんとうに衝撃を受け」ることはもちろんあるにはある。けれども、それはやっぱり曲単位の話という感じがするし、アルバムという単位だとなかなか思いつかないので、最初の一枚を選ぶのに苦労した。そこで発想を変えて、「ほんとうに衝撃を受けた」という文言を「不可逆的な影響を自分に与えた」というふうに解釈して取り組むことにした。好きなアルバムならいくらでも挙げることができるが、その後の音楽観や趣味まで変えてしまうよう盤はそう出会えることはない。
律儀に10日間投稿し続けて先日、とはいってももう3ヶ月も前のことだが、ようやく終了した。もちろん密やかな趣味を他人に開陳することは自分にとっても恥ずかしいことだ。4日目ぐらいで「自分酔い」して気分が悪くなった。気恥ずかしさと気持ちの悪さから途中で放り出したくなりもしたが、「おれたちいくつになっても悪ガキ!」を合言葉に中高生的な感性に固執することで年々フレッシュさを失い淀みに嵌って腐りかけている2ちゃんねる的な態度を内面化したサブカルっぽい連中のようにホモソーシャル的な内輪ノリを支えている価値観をより強固にするために目配せしながらパフォーマンスとして他人を腐したり冷やかしたり貶したりするというような卑しい行いではなく、ポジティブなバイブスに溢れたことをせねばならない、自分の中の2ちゃんねる的感性を殺していかねばなるまいと感じたからきっちり10日間続けることにした。
選んだ10枚とコメントは以下の通り。
カシマさんからのご紹介で例の「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」に取り組んでまいります。
1日目/10日
大滝詠一 / NIAGARA MOON pic.twitter.com/pMefMyKOH9— 鳥居真道 (@mushitoka) July 20, 2018
Breezeが心の中を通り抜けないもんだから衝撃を受けた、というのは冗談だけど、大した知識もないまま山下達郎の「パレード」のようなポップスが乱れ咲く世界を勝手に期待して聴いから大変困惑した。メロディ大好き人間がリズムの味を覚えるきっかけとなったのがこのアルバムだったと今にして思う
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 20, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
2日目/10日
Frank Ocean / channel ORANGE pic.twitter.com/oxVKu88szb— 鳥居真道 (@mushitoka) July 21, 2018
ジミー・ファロンの番組で"Bad Religion"を歌っている動画を観て感激し即注文。"Sweet Life"と"Super Rich Kids"はクラシック。昨年のSZAの『Ctrl』はこの盤と似た感触があり嬉しかった。OFWGKTAがいなかったら同時代のヒップホップ/R&Bを今ほど積極的に聴いていなかったかもしれないと今にして思う
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 21, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
3日目/10日
Leon Ware / Musical Massage pic.twitter.com/fKXTx54GSP— 鳥居真道 (@mushitoka) July 22, 2018
Marvin Gayeの『I Want You』もセットで。Nick Decaroの"Under The Jamaican Moon"でのDavid T. Walkerの艶っぽいギターに骨抜きにされ、後を付け回していたらこの盤に辿り着いた。世の中には聴いて催してしまう音楽とそうでないものが。前者の味を忘れがたいものにしたのがこの盤だったと今にして思う
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 22, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
4日目/10日
Kraftwerk / Computer World pic.twitter.com/VJe3OjeD3k— 鳥居真道 (@mushitoka) July 23, 2018
今でこそJBのパフォーマンスは熱くとも演奏されるその音楽はクールに構築されたもの("Cold Sweat"的な?)だっていう認識ではあるけれど、当初は「強いフィジカルの表出」的なステレオタイプで捉えているところがあった。
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 23, 2018
けれども、いかにも機械的ないし人間味が希薄な4人組による「電卓」を聴いて「これってファンクじゃない?」と思った瞬間、ふたつのステレオタイプが溶けてニューホライズンに立っていた。ファンクがクールな構造物であるとより強く意識する契機となったのがこの盤だったと今にして思う
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 23, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
5日目/10日
Tom Tom Club / Tom Tom Club pic.twitter.com/tVsANOGAW1— 鳥居真道 (@mushitoka) July 24, 2018
大好物のCompass Point Studios産の音楽の入門盤となったアルバム。この後にGwen Guthrie、Grace Jones、Lizzy Mercier Desclouxとの出会いが控えていると思うとなんだかわくわくする。重厚さを捨て軽妙な足取りで音楽と接していこうと決意するきっかけとなったのが彼らの存在だったと今にして思う
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 24, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
6日目/10日
Kid Creole & The Coconuts / Tropical Gangsters pic.twitter.com/1wP3uL7NCy— 鳥居真道 (@mushitoka) July 25, 2018
ゴージャスでおおらかで楽しくてスイート。そしてそれらを引き立てるほんのりとした酸味。この酸味こそが肝。Dr. Buzzard's Original Savannah Band、Elbow Bones & The Racketeers、Cory Daye、Cristina。彼らの音楽により我々は楽園という環境を耳に注ぎ込むことに成功した
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 25, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
7日目/10日
Slapp Happy / Casablanca Moon pic.twitter.com/UM9LEcsCaO— 鳥居真道 (@mushitoka) July 26, 2018
This Heatの1stをプロデュースしたアンソニー・ムーアって何者?という疑問から辿り着いた。ジャケの暗さにびびったが聴けば可愛らしい音楽で吃驚仰天。極め付けは"The Secret"。こんなに可愛らしいのならとこれ以降レコメンまたはカンタベリーコーナーを物色するように。事実可愛らしい盤が多かった
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 26, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
8日目/10日
Wreckless Eric / Wreckless Eric pic.twitter.com/74I0P6qgoX— 鳥居真道 (@mushitoka) July 27, 2018
イギリス産パワーポップのコンピに収録された2コード史に輝く名曲"Whole Wide World"を聴き少年が粋がっているような歌唱と歌心に打ちのめされた。さらにアルバム冒頭の"Reconnez Cherie"の優しさに再度打ちのめされた。イギリス特産のこうした走り書きのようなリズムもまた好き。いつ聴いても楽しい盤
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 27, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
9日目/10日
Laura Nyro & LaBelle / Gonna Take A Miracle pic.twitter.com/tINYvGjcbx— 鳥居真道 (@mushitoka) July 28, 2018
二十歳頃に愛聴していた70年代初期のバンドやSSWの音楽は共通してソウルやR&Bからの影響が窺える。ルーツが気になるも知識もなく何を聴けば良いのかわからない。そんな折にこの盤により視界が開かれた。さらにこの盤自体が漠然とその手の音楽に求めていた質感そのものだったことにとても興奮した
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 28, 2018
「ほんとうに衝撃を受け、今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムのジャケを10枚」
10日目/10日
Marcos Valle / Previsao Do Tempo pic.twitter.com/GVOB6TrW6o— 鳥居真道 (@mushitoka) July 29, 2018
誰かに「どういう音楽が好きなの?」と質問されたら細かい説明をすっとばしてこの盤を挙げ、「こういうの」と答えたい。さらにShuggie Otis『Inspiration Information』、Hirth Martinez『Hirth From Earth』も付け加えたい。それでもまだ十分とはいえないけれどキリがないのこのへんでやめときます
— 鳥居真道 (@mushitoka) July 29, 2018